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【最新版】3分でわかる!大学受験(入試)の仕組み
投稿日:2017年2月2日 | カテゴリー:受験・進学のこと
現在の大学制度は戦後昭和22年に施行され、入試は昭和24年から実施されたということですから、間もなく70年を迎えようとしています。
高校生のお子さんを持つ保護者の中にも大学受験を経験された方がいらっしゃると思いますが、受験制度の実態は今日までの目まぐるしく変転を繰り返しています。お子さんの受験を考えるときに大事なことは、「昔と同じに」考えないということだと思います。
このコラムを読むと現代の大学入試のことが短時間でわかると思います。
昔とは随分違っているはずですよ。
大学入試の仕組み
大学受験から大学に入る道筋は一つではありません。私立大学だけでなく国公立大学も様々な受験機会を設けて受け入れの扉を開いています。合否もペーパーテストの点数だけではなく、面接や論文、実技試験などを通じて様々な観点から生徒の才能や個性を評価しようとしています。
国公立大学ではセンター試験と大学個別の2次試験(個別試験)の結果で合否を決定する受験方式が一般的ですが、AO入試や推薦入試を行う学部学科もあります。
大学入試センター試験
センター試験の正式名称は「大学入試センター試験」です。独立行政法人の大学入試センターが行う試験です。センター試験は毎年1月中旬の土曜・日曜の2日間に、全国一斉で実施され、50万人以上が受験します。
全教科「マークシート方式」で行われ、国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語の6教科30科目で構成されています。この中から最大8科目(理科①と理科②を両方選択した場合は9科目)を受験できます。
受験生は志望大学が指定する教科・科目を選択して受験することになります。
教科 | 科目 | 配点 | 試験問題 | |
---|---|---|---|---|
国語 | 「国語」 | 200点 | 80分 | |
地理歴史 | 「世界史A」「世界史B」 「日本史A」「日本史B」 「地理A」「地理B」 |
1科目100点 2科目200点 |
1科目選択60分 2科目選択130分 (うち解答時間120分) |
|
公民 | 「現代社会」「倫理」 「政治・経済」 「倫理,政治・経済」 |
|||
数学 | ① | 「数学Ⅰ」 「数学Ⅰ・数学A」 |
100点 | 60分 |
② | 「数学Ⅱ」 「数学Ⅱ・数学B」 「簿記・会計」「情報関係基礎」 |
100点 | 60分 | |
理科 | ① | 「物理基礎」 「化学基礎」 「生物基礎」 「地学基礎」 |
2科目200点 | 2科目選択60分 |
② | 「物理」 「化学」 「生物」 「地学」 |
1科目100点
2科目200点 |
1科目選択60分 2科目選択130分 (うち解答時間120分) |
|
外国語 | 「英語」「ドイツ語」「フランス語」 「中国語」「韓国語」 |
200点 | 80分 | |
「英語リスニング」 | 50点 | 60分 (うち解答時間30分) |
東京大学の文類での例
- 「国語」(必須)
- 「世界史B」「日本史B」「地理B」「倫理,政治・経済」(から2科目)
- 「数学Ⅰ・数学A」(必須)
- 「数学Ⅱ・数学B」「簿記・会計」「情報関係基礎」(から1科目)
- 「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」「物理」「化学」「生物」「地学」(から2科目)
- 「英語」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」(から1科目)
…上記から合計8科目を指定
受験結果は大学入試センターから直接志望大学に送られ、大学において2次試験結果と合わせて合否が判定されます。
国公立2次試験(個別試験)
国公立大学の2次試験の正式名称は「個別試験」です。多くの学部学科がセンター試験と各大学の個別試験(2次試験)の成績の合計により合否を決定します。
大学はセンター試験の得点と2次試験の得点の配点を調整して合否を判定します。
その際に専攻に関連する教科の配点を高くする、またはセンターと個別試験の配点比重を調整するなどの対応が行われる場合があります。より専攻内容に適した学生を確保するためです。
特定科目の配点を高くする例
教科 | 国語 | 地歴・公民 | 理科 | 数学 | 外国語 | 小計 |
---|---|---|---|---|---|---|
一般的な配点 | 200 | 200 | 100 | 200 | 200 | 900 |
横浜市立大 国際総合科学部 理学系 |
200 | 100 | 200 | 200 | 500 筆記400、リスニング100 |
1200 |
徳島大学医学部 | 150 | 50 | 300 | 200 | 200 | 900 |
センターと個別試験の配点比重には以下の3つのパターンがあります。基礎基本を広く問うセンター試験と応用力や個性を見ることができる個別試験との組み合わせを工夫することで、大学に来て欲しい学生を選抜する試みです。
センター試験重視型(例:信州大学経法学部応用経済学科(2017年入試))
試験 | センター試験 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
教科 | 国語 | 地歴・公民 | 理科 | 数学 | 外国語 | 小計 | 国語 | 数学 | 外国語 | 小計 |
配点 | 200 | 200 | 100 | 200 | 200 | 900 | 選択1教科:200 | 200 |
センター試験・個別試験均等配点型 (例:弘前大学医学部(2017年入試))
試験 | センター試験 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
教科 | 国語 | 地歴・公民 | 理科 | 数学 | 外国語 | 小計 | 数学 | 外国語 | 面接 | 小計 |
配点 | 200 | 100 | 200 | 200 | 200 | 900 | 300 | 300 | 300 | 900 |
個別試験重視型(例:京都大学法学部(2017年入試))
試験 | センター試験 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
教科 | 国語 | 地歴・公民 | 理科 | 数学 | 外国語 | 小計 | 国語 | 地歴 | 数学 | 外国語 | 小計 |
配点 | 60 | 60 | 30 | 60 | 60 | 270 | 150 | 100 | 150 | 150 | 550 |
※センター試験900点満点を270点満点に換算
分離分割方式と個別試験
国公立大学の個別試験(2次試験)の説明をする前に一般入試のスケジュールを確認しておきましょう。
2017年入試の日程
ご覧のようにほとんどの国公立大学は個別試験(2次試験)の受験機会が2回設定されています。それぞれの受験に対して定員も設定されています。
このように一つの学部学科の受験日程と定員を割って複数の受験機会を確保する制度を分離分割方式といいます。
例えば広島大学の総合科学部総合科学科では前期試験の定員が100名、後期試験の定員が18名です。
金沢大学の理工学域機械工学類では前期試験の定員が120名、後期試験の定員が20名となっています。
この制度により国公立大学を受験する人は2回の受験機会が提供されています。また前期と後期の間に「中期日程」を設定する大学もありますので、このような大学を志望するのであれば3度のチャンスがあります。
ただし前期日程で合格した人が入学手続きを行うと中期・後期日程の合格の権利はなくなってしまいます。中期・後期の結果を見て前期日程で合格した大学への進学を検討するということはできません。
2段階選抜
難関校や人気校では2次試験の出願を出してもセンター試験の成績によっては受験ができないことがあります。2次試験を受験できる者を予め選抜するのです。これを「2段階選抜」と呼びます。
2次試験の受験教科は同じ学部学科でも前期日程と後期日程では異なるのが普通です。
前期日程は文系であれば「国語・外国語・地歴公民・数学」から2~3教科、理系学部では「外国語・数学・理科」から2~3教科が一般的です。
一方で、後期日程では1~2教科もしくは小論文、面接のみというところもあります。この場合はセンター試験の結果もさらに重要になってきます。
私立大学(一般入試)
私立大学の一般入試では、3教科型が中心となります。
最近では2教科以下の負担の少ない受験方式や受験機会を複数回設定したり、複数の学部学科を同時に受験できるなど様々な工夫をこらした入試が増えています。
私立大学の受験教科
理系 | 英語・数学・理科の3教科が基本、2教科の場合は英語・数学か、数学が必須で英語・理科から1教科選択のパターンが多い。 |
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文系 | 英語と国語必須で地歴・公民・数学から1教科選択の3教科が中心となり、2教科の場合は英語必須で他の1教科を選択するか、任意の2教科を選択する方式が主流。 |
私立大学では優秀な受験生の確保を目的に新しい入試の試みを行っています。
センター試験利用方式
センター試験の成績を利用して私立大学が合否の判定を行う入試方式です。センター試験を受験するだけで複数の大学・学部に出願できるだけでなく、国公立大学へも併願できます。ほとんどの場合、大学独自の試験を行わずセンター試験の成績のみで合否の判定を行います。
全学部統一入試
全学部・学科が共通の問題を用いて同じ日に試験を行う入試方式です。複数の学部への併願が可能な大学もあります。一般入試とは別日程で実施するため、同じ学部・学科を二度受験することも可能になります。
英語外部試験利用型入試
英語の学力試験の代わりに、英語の4技能(聞く、話す、読む、書く)を測定する資格・検定試験を活用する入試制度です。IELTS、TOEFLiBT、TEAPなどで基準スコアをクリアすることを出願資格とする大学のほか、みなし満点や加点利用する大学もあります。
推薦入試・AO入試など
最後に学力試験を主としない入試についてご紹介します。
指定校推薦入試

公募制推薦入試

AO入試

推薦入試とAO入試のわかりやすい違い
推薦入試が学校長の推薦を条件としているのに対し、AO 入試では学校長からの推薦を求めていません。ここが一番の違いでしょう。 従って、より幅広い皆さんが選抜の対象となります。
各大学は従来の学力の考え方にはとらわれない、新しいタイプの学生を求めています。そのため選抜方法にも様々な工夫を凝らしています。今後もユニークな入試方法が出てくると思われます。
またセンター試験は2020年までに廃止され、新しい大学入試制度が始まることが決まっています。この話題はまた別の機会に取り上げたいと思います。