「中の人」問題(2)
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパスの夏目です。
前回は「中の人が多すぎて、伝言ゲームが上手くいかない」という話をしました。この問題を解決するには、基本的に二つの方法しかありません。まず情報が正確に伝わるようにダブルチェック、トリプルチッックすることです。確認者を複数にし、提出書類を倍増するような形で、ミスを徹底的に防止するのです。この方法をとれば、連絡ミスはまず起きなくなります。しかし膨大な手間ヒマが発生し工期が延長され人件費が高騰します。そしてこのコスト増は購入価格に上乗せされ、購入者が最終的に負担することになります。不景気が続く中、この方法を採択できる会社はなかなかないでしょう。
二つ目の手法は、連絡チェインを端折ることです。現場に近い業者だけで連絡を取り合い、そこから上の会社には連絡をあげないのです。そして問題が発生しても現場だけで解決して、上の会社には連絡しないのです。こうすれば工期を延長する必要もないし、手間暇も増えません。全員が万々歳です。問題が発覚しない限りにおいては。問題が発覚すると、ピラミッドの上の方の会社は大ピンチになります。なにせ情報が来てないわけですから、問題の詳細がまるで分からない。今回の事件における三井不動産のパニックぶりを見れば、プラミッドの頂点にいる彼らが現場情報にいかに疎かったのかよくわかります。
結局のところ、伝言ゲームにおいて参加者が一人でも増えると、失敗する確率が飛躍的に高まってしまいます。ですから、建設業界のように多層化した下請構造をもつ産業では、「現場の情報が上部の会社まで伝わらない、伝わったとしても不正確である」という(外部の人間からしたら呆れるよりほかにない)不祥事が多発することになります。
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