「『運』の良さを創り出す力(後編)」
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパスの宮本です。
(つづき)
さてさて、資格試験を始め試験に臨むみなさんがよく口にするのが、
「運」が良いとか悪いとか、「運」も実力のうちなんて言葉たちですね。
みなさんは、「運」がいいと思いますか?
私は、振り返ってみると悪運が強いような気がします。
憎まれっ子は世に憚るようです。
で、今から100年以上前に明治天皇公認(?)の強運の持ち主がいたのをご存知ですか?
東郷平八郎さんといいます。
あ、気づきました?日露戦争(1904~1905)時に、
連合艦隊を率いて日本海海戦を勝利に導いた名提督と云われる人ですね。
彼が連合艦隊司令長官に就任した直後、
御前会議で明治天皇が山本海軍大臣に下問しました。
「山本、東郷とはどういう男か?」「はっ、東郷は運の強か男でごわす。」「そうか。」
就任後の人物評ですが、なんだか大らかというか凄いというか。
ただ、彼は単なる強運の持ち主ではありませんでした。
対馬・津軽・宗谷のどの海峡を通過するか分からないロシア・バルチック艦隊を迎え撃つため、
世界で初めて無線通信機を全艦艇に装備し三海峡を見張らせたほか、
主砲の口径で劣る日本軍艦艇を優位に導くために高性能火薬を開発させ、
また猛練習に次ぐ猛練習で大砲(人力操作)の発射間隔を超短縮しました。
そうして迎えた日本海海戦では、
小口径の副砲が並ぶ艦体側面をあえて晒してロシア艦隊の行く手を塞ぐ丁字戦法を採用し、
高性能弾薬を雨霰と叩き込んで大勝利を収めました。
周囲が見た結果は、いかにも「強運」の賜物に見えたのかもしれません。
しかし、この勝利の裏には徹底した先見と、水も漏らさぬ周到な準備、
そして鍛錬に次ぐ鍛錬が存在して、初めて「完璧」とも云われる結果を生み出せたのです。
産みの苦しみを超えたところに、喜びと栄光が待っていることも少なくありません。
さあ、胸を張って笑顔で、でも超冷静に踏ん張ってまいりましょう!
みなさんの活躍を期待してやまない今日この頃です。
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパス 宮本