右も左も分からない
通信制 一ツ葉高校 代々木キャンパスの浜田です。
現代文の教科書の評論「言葉と世界」の後半では、
「前」の言葉が指す意味が言語によって異なるということが紹介されています。
一方、「右」と「左」は言語によってあまり違いはないのでしょうが、
実際「『右』とは何か」を考えようとすると相当難しいです。
辞書を引くと、「南を向いたときに、西にあたる側。」とか書いてあったりします。
じゃあ、宇宙空間にいったら?
逆立ちしていたら?と考えてしまいます。
実は、私は小さい頃、「右」と「左」を区別するのがなかなかできなかったし、
今でもとっさにどっちがどっちか分からないときがあります。
「右」と「左」コンプレックス。
「右も左もわからない」と言うと、「不案内」という意味以外に、
「初歩的なことが理解できていない」という意味もあります。
しかし、実際、そんなに簡単なものじゃないのだ、と。
先日、イタリアンレストランに行った時のこと、
夫婦とみられる若い男女が隣のテーブルで食事をしていて、
男性が「昨日、上司に会議の後、『今度のプロジェクトリーダーはお前が最右翼だ』
って言われたんだけど、どういう意味かなあ?」と話していました。
女性のほうも、「右翼ってどういうことかしら」と応じただけ。
男性は「なんか悪い意味だよね」でその会話が終わっていました。
おそらく政治的傾向の意味で、
「保守的」=「右」、「革新的」=「左」にいろいろなイメージがくっついて、
そういう誤解になったのでしょう。
この場合の最右翼は「右に出るものがいない」と同じように、
「右」を「優秀な方、上位の方」という意味で使っていて、
「最有力の候補」くらいに受け取ったらよいでしょうか。
通信制 一ツ葉高校 代々木キャンパス 浜田