授業のまとめ その1
通信制 一ツ葉高校 代々木キャンパスの松嶋です。
早いもので、今年度のレポート授業も今週で終わります。
約一年間ありがとうございました。
さて、本日は、本年度のまとめとして、また倫理の授業でやっていた内容を
世界史・倫理ひいては授業のまとめとして書きたいと思います。
倫理では、最後の授業の時間を使って、カント「啓蒙とは何か」
(中山元訳、光文社、2006年)をみなさんと読みました。
すこし難しい内容だったかもしれませんが、若いうちに難しい本を読むことは良い経験ですよ。
さて、本書で、カントは何をいっているかというと、未成年状態を抜け出す必要性を述べています。
では、未成年状態とは何か。
それは「他人の指示を仰がなければ自分の理性を使うことができないという」状態です。
換言するならば、自らの頭で考えて行動しなさいということです。
しかし、私たち人間は、自らの頭で考えるよりも、他人(「後見人」)に考えてもらった方が、楽ですよね。
なぜならば、「自分であれこれ考える必要はなくなる」からです。
自分で考える必要がないため、自分には責任はない。
これほど、楽なことはありません。
だから、未成年状態は楽でなかなか抜け出せないものです。
しかし、カントは未成年状態から抜けだすことを強調するのです。
そのためには、「知る勇気をもて」、「自分の理性を使う勇気をもて」と主張しています。
これがいわゆる「啓蒙」です。
次回に続きます。
通信制 一ツ葉高校 代々木キャンパス 松嶋