「ガラス戸」シリーズ
通信制 一ツ葉高校 立川キャンパスの比嘉です。
現代文では「冬」を入れた短歌を各自作ることになっています。
それぞれ簡単に作ってしまう生徒もいれば、
長い時間をかけてもなかなか作れなくて苦しむ生徒もいます。
正岡子規の「冬ごもる病の床のガラス戸の曇りぬぐえば足袋干せる見ゆ」が
「写生」の短歌ということでこの単元の冒頭に挙げられています。
病に伏せっていた子規がガラス戸越しに見た景色が歌われています。
しかしこの短歌だけを見ても、
子規の短歌については良く味わえないかもしれません。
子規の短歌集を見ると、
「ガラス戸」シリーズと言って良いくらいの短歌が続々と出てきます。
常伏に伏せる足なへわがためにガラス戸張りし人よさちあれ
ガラス戸の外は月あかし森の上に白雲長くたなびける見ゆ
ガラス戸の外に据えたる鳥籠のブリキの屋根に月映る見ゆ
ほととぎす鳴くに首あげガラス戸の外面みればよき月かな
紙をもてラムプおほえばガラス戸の外の月夜のあきらけく見ゆ
ここではこれくらいにしておきますが、実はこれ以外にもまだまだあります。
いずれもガラス戸越しに見えた景色を詠んでいて、
教科書に載っているものがこのガラス戸シリーズの一つであることを知ると、
より面白いと思います。
通信制 一ツ葉高校 立川キャンパス 比嘉