お盆の起源②
通信制 一ツ葉高校 立川キャンパスの松嶋です。
前回、原始仏教が「お盆」と関わりがないこと、
仏教自体が死後の世界よりも現世における修行を重視していたことを書きました。
では、いつごろ仏教が死後の世界を重視してきたのでしょうか。
仏教が死後の世界を重視し、「葬式仏教」と揶揄されるような契機となったのが、
私は仏教の専門家ではないので詳しいことはわからないのですが、江戸時代です。
江戸幕府はキリスト教を厳しく弾圧していました。
そこで、民衆がキリスト教徒ではないことを保証するために、
半強制的に仏教に入信させるのです。
これが、いわゆる「宗門改」です。
かといって、民衆が仏教をあつく信仰していたかと言うと、そうとも言えません。
江戸時代は、神道と儒教の影響も強くありました。
この三者間の分業によって江戸時代の思想は成り立っていた
と言っても過言ではありません。
どのような分担だったかというと、
神道……土着的な祭儀
儒教……民衆道徳
仏教……死生観
この分業体制が確立することによって、仏教は死後の世界観を独占するわけです。
そして、民間の土着的な祭儀としてあった、夏のお彼岸(祖先供養)と仏教が結びつくことによって、「お盆」が成立したのです。これは柳田国男の研究で明らかにされています。
したがって、「お盆」は仏教的儀式というよりも、民間宗教としての側面が大きいわけです。
このように「お盆」を見直した上で、みなさんお盆を楽しんでください。
通信制 一ツ葉高校 立川キャンパス 松嶋