人工知能って何だろう(その2)
通信制高校 一ツ葉高校福岡キャンパス 井上です。
こんにちは皆さん!
人工知能って何だろう(その1)の続編です。
先ごろ、Google社の人工知能(AI: Artificial Intelligence)を搭載したコンピューターAlphaGo(アルファ碁)が、世界最強の棋士イ・セドル九段(韓国)との対局の結果、4勝1敗で勝利したというニュースが報道されていました。
このニュースに、サンデーモーニングというTV番組の出演者たちが、「人工知能コンピューターが人間にとって代わる時代がすぐにやってきて、人間に代わって戦争を始めるかもしれない怖い時代がもうそこまでやってきている。」と、誰かが言うと、出演者全員が「そうだ、そうだ」と悲観していました(私は笑ってしまいました)。
人間には未知のこと、理解できないことに対して「怖い!」と恐れて思考停止するか、「なぜ?」と疑問に思い探求、解決しようとする2つのタイプがあると思います。
後者の「なぜ?」は科学的な考え方の基本ですし、学ぼうとする心の素でもあります。人が知恵を持つ(学ぶ)ことができたのは、疑問をもつからだと言いかえても良いかもしれません。
李(イ)九段に勝利したAlphaGoは、Google社の普通のコンピューターで動いている囲碁ソフトなのです。人工知能と表現すると皆が注目しますから、Google社のソフトウェアとコンピューター(例えばAndroidスマホ)の宣伝戦略であることが容易に想像できます。
囲碁ソフトが膨大な囲碁の指し手を記憶し、高速にデーター処理をするプログラムであったことを、ニュース性を高めるため、「学習した」といい「人工知能」と表現しました。
しかし、人は「なぜ?」と問うことができるからこそ、人間の学習活動は始まるのです。
「人工知能」が自発的に「なぜ?」と言うようになれば、サンデーモーニングの出演者たちが怖れる「人工知能」が現実のものになるでしょう。
現存するコンピューターがどれほど巧妙に、大量の数値データーを高速で処理したとしても、人間と同じように「学ぶ」優秀な人工知能になるには、まだまだ途方もなく大きな努力が必要なようです。
通信制高校 一ツ葉高校福岡キャンパス 井上