「走為上」
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパスの宮本です。
みなさん、こんにちは。今日は、おなじみ兵法三十六計からのお話です。
この三十六計の最後の軍略が「走為上…走るを上と為す」、
つまり「三十六計逃げるが勝ち!」というやつです。
ええ、逃げるなんて臆病だなあなんて思わないでくださいね。
不利な戦いを無理に推し進めることがどれだけ無謀なことかは、歴史が証明してくれています。
太平洋戦争自体がそうであると論じられることも多いですし、
その中でもとくにインパール作戦などはそれ以外の議論の対象にならないほどです。
戦局も悪化の一途をたどっていた1944(昭和19)年春、
連合軍による中国軍支援のための輸送ルートを遮断するため、
牟田口中将はインド北東部の都市インパール攻略を決意します。
この時、全く補給への配慮がなかったこと、兵力に余裕がなかったことなどから、
参謀や指揮下の部隊長などから猛反発を受けますが、
中将はこれを更迭したり黙殺したりして作戦を強行します。
その結果、総兵力九万人のうち三万人以上の戦死者と四万人以上の傷病者を出すなど、
未曾有の大損害を出し、作戦は失敗に終わりました。
「走為上」とは、逃げるだけではなく、
そもそもの段階で無駄な損害や危険を回避する決断をも含みます。
これからの人生、いろいろな決断を迫られることと思います。
そんな時、挑まない勇気も必要な時が来るかもしれません。
その時は、胸を張って英断をくだしましょう。
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパス 宮本