歴史の中の瀬戸内海②
通信制 一ツ葉高校 立川キャンパスの松嶋です。
前回のブログで、瀬戸内海の重要性を考えてみたのですが、
みなさんの考えはどれですか。
①海上交通の要所として
②漁業の盛んな地域として
③観光地として
瀬戸内海の重要性は、①が重要です。
よくあることですが、現在の感覚で歴史を考えてしまうと、見当違いな理解をしてしまいます。
少し考えていましょう。
昔、車はありません。道はコンクリートで舗装されているわけではないです。
その様な中おもな交通手段は、何だったでしょう??
①陸上交通――馬車とかに積んで運ぶ
②海上交通――船で運ぶ
これは、明らかにに②の海上交通ですよね。
そもそも、日本は平野が少なく、陸上交通には向いていません。
やはり、多くの荷物そして人を運ぶには、陸上交通は向いていません。
そうなると、瀬戸内海が重要になってくるわけです。
なぜか?
①中国・朝鮮半島との入口である博多(太宰府)から京都までの海だった。
②瀬戸内海が内湾で波が高くなりづらいからです。
海上交通の最大の問題は波です。この波が高くないところが、瀬戸内海の最大の利点であって、博多(太宰府)から京都までを結ぶ重要な交通路だったわけです。
たとえば、鳥羽上皇は平忠盛(平清盛の父)が瀬戸内海の海賊を討伐したことを大変喜びました。それが、平氏一族繁栄の礎となったわけです。
他にも、薩摩藩(現鹿児島県)は、参勤交代で江戸(現東京)に上る時、
鹿児島から大阪まで瀬戸内海を経由して船で行き、そのあとは東海道を歩いて行ったのです。
瀬戸内海を使えば、大阪までは容易にいけるってことですね。
では、なぜ大阪から江戸までは船で行かなかったのでしょうか?
それは、大阪~江戸間の海が外洋で波が高くなるリスクがあり、
航路としてはリスキーだったのでしょう。
このように、瀬戸内海は歴史的に重要な所なのです。
ぜひ一回行ってみたいところですね。
通信制 一ツ葉高校 立川キャンパス 松嶋