田起こし
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパスの夏目です。
米作りをしたことのない方には馴染みのない言葉なのかもしれませんが、田植え前の重要作業として「田起こし」という仕事があります。
これは冬の間に乾燥し硬くなった土壌に鍬で(現在ではトラクターで行うのが普通ですが)裂け目を入れていく作業です。この裂け目から土壌に水分が入り込みやすくなり、やがて土壌はドロドロの粘土状に変化していきます。粘土状の土壌は苗を植えるには最適な環境ですし(硬い土壌では苗を差し込むことは困難です)植えられた後の苗が根を伸ばすのにも粘土状土壌は理想的です。
私は今週末にこの「田起こし」を行っているところですが、英語の苦手な高校生たちに授業をすることと、この「田起こし」はどこか共通していると感じます。
中学時代で英語に苦手意識をもってしまった生徒は、「自分には英語ができない。勉強しても無駄だ」という諦めをもっているように見受けられます。この固定概念を打ち破らない限り、いくら教えても英語知識が彼らの頭に染み込んでいくことはありません。彼らの英語力を伸ばすには、まずこの「固くなってしまった心」をほぐす必要があるのです。
私はできるだけ彼らを褒めることによって「あれ、もしかしたら自分にも英語ができるかも」と思わせるように心がけています。この褒め言葉によって、彼らの硬い心に裂け目が入り、やる気が染み込んでいくことを期待しているのです。
時間のかかる作業ですが、この英語教育での「田起こし」を続けていきたいと思います。
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパス 夏目