声優を目指さなくても、声のトレーニングが役立つ理由 ~「伝える力」は、子どもたちの将来を支える力になります~
これまでのブログでは、
・AI時代に求められる自己表現力
・人前で話すことに苦手意識を持つ子どもが増えている背景
・不登校を経験した子どもが自信を取り戻すきっかけ
・通信制高校で学力以外に身につけたい力
についてお伝えしてきました。
前回のブログでは、声優という仕事が、ただ良い声を出す仕事ではなく、相手の気持ちを理解し、言葉に感情を込め、聞く人へ届ける「伝える仕事」であることをご紹介しました。
一ツ葉高校では、2026年9月14日から、声優・野島裕史さんによる「伝わる声と表現コース」を開講します。
このコースについてご案内すると、保護者の方からこのような疑問を持たれることがあります。
「うちの子は声優を目指しているわけではないのですが、参加する意味はありますか?」
答えは、もちろん「はい」です。
むしろこのコースは、声優を目指しているかどうかにかかわらず、自分の思いや考えを伝えることに不安を感じている生徒にこそ、学んでほしいコースです。
「伝わる声と表現コース」は声優養成講座ではありません
「声優による声のコース」と聞くと、アニメやゲームの声優を目指すための専門的な講座をイメージするかもしれません。
しかし、一ツ葉高校の「伝わる声と表現コース」は、声優を養成することを目的としたコースではありません。
このコースで育てたいのは、
・自分の考えを言葉にする力
・相手に伝わるように話す力
・人前で声を出す自信
・相手の気持ちを考える力
・人とのコミュニケーションを楽しむ力
です。
これらは、声優になる人だけに必要な力ではありません。
進学、就職、友人関係、家族との会話など、これからの人生のさまざまな場面で必要になる力です。
声のトレーニングは、単なる発声練習ではありません
「声のトレーニング」と聞くと、
・大きな声を出す
・滑舌を良くする
・腹式呼吸を練習する
といったことを想像する方も多いでしょう。
もちろん、声を出すための基本的な練習も大切です。
しかし、本当に重要なのは、きれいな声や大きな声を出すことではありません。
大切なのは、
自分が伝えたいことを、相手に届く形で表現することです。
例えば、同じ「ありがとう」という言葉でも、声の大きさ、速さ、間の取り方、表情によって、相手が受け取る印象は大きく変わります。
小さな声で急いで言えば、気持ちが十分に伝わらないこともあります。
相手の顔を見ながら、落ち着いて、気持ちを込めて伝えれば、同じ言葉でも温かさが伝わります。
声のトレーニングを通して学ぶのは、単に「上手に話す方法」ではありません。
自分の気持ちを意識し、それを相手へ届ける方法なのです。

1.自分の考えを言葉にする力が育つ
人前で話すことが苦手な子どもの中には、考えがないのではなく、
「何から話せばよいか分からない」
「頭の中にはあるけれど、言葉にできない」
という生徒が少なくありません。
声のトレーニングでは、文章や台本を読みながら、
・この言葉はどんな気持ちで話しているのか
・誰に向かって伝えているのか
・どのように話せば相手に伝わるのか
を考えます。
最初は用意された言葉を読むことから始められるため、自分の考えをいきなり大勢の前で話すよりも、挑戦しやすいという利点があります。
台本を使って表現する経験を重ねるうちに、少しずつ自分の気持ちや考えも言葉にできるようになっていきます。
2.人前で声を出すことへの不安が和らぐ
人前で話すことに慣れていない生徒にとって、
「自分の意見を発表してください」
と言われることは、大きな負担になる場合があります。
何を話すかを考えながら、人に見られ、間違えないように話すことは、簡単ではありません。
その点、台本や決められた文章があると、話す内容を一から考える必要がありません。
まずは、
・一文だけ読んでみる
・声の大きさを変えてみる
・気持ちを込めて読んでみる
・同じ言葉を違う表現で伝えてみる
といった小さな挑戦から始めることができます。
最初から上手にできる必要はありません。
「最後まで読めた」
「前より声が出た」
「相手に伝わった」
という小さな成功体験を重ねることで、少しずつ人前で話すことへの抵抗感が和らいでいきます。
3.相手の気持ちを考える力が身につく
声を使って何かを表現するためには、自分のことだけを考えていては伝わりません。
「この言葉を聞いた相手はどう感じるだろう」
「この人物はなぜこの言葉を話したのだろう」
「相手との関係によって、伝え方はどう変わるだろう」
と考える必要があります。
これは、日常のコミュニケーションにもつながります。
自分の気持ちを伝えるだけでなく、相手の表情や声の変化を感じ取り、相手の立場を想像することも大切です。
声の表現を学ぶことは、相手を理解しようとする姿勢を育てることにもつながります。
4.「聴く力」も育てることができる
コミュニケーションというと、「上手に話すこと」に注目しがちです。
しかし、会話は一人では成り立ちません。
相手の話を聴き、その内容や気持ちを受け止めたうえで、自分の言葉を返す必要があります。
声優の仕事でも、自分のセリフだけを上手に読むだけでは、自然な会話にはなりません。
共演する相手の声を聴き、テンポや感情を受け取りながら、自分の表現を変えていきます。
これは、学校生活や社会生活でも同じです。
相手の話を最後まで聴く。
相手が何を伝えようとしているのかを考える。
そして、それに合った言葉を返す。
声のトレーニングは、「話す力」だけではなく、コミュニケーションの基本となる「聴く力」を学ぶ機会にもなります。
5.面接や発表にも役立つ
高校卒業後には、自分のことを言葉で伝える場面が増えていきます。
大学入試の面接。
総合型選抜でのプレゼンテーション。
アルバイトの面接。
就職活動。
大学や専門学校でのグループ発表。
こうした場面では、話す内容だけでなく、
・相手に聞こえる声量
・落ち着いた話す速さ
・言葉の区切り方
・表情
・相手を意識した伝え方
も大切になります。
声のトレーニングを通して、自分の声や話し方の特徴を知っておくことは、将来の面接や発表に向けた準備にもなります。
「正しい答え」を暗記するだけではなく、自分の経験や思いを自分の言葉で届ける力を育てることができます。
6.自分の声を知ることが、自信につながる
自分の声を録音して聞いたとき、
「自分の声はこんな声だったんだ」
と驚いた経験がある方もいるかもしれません。
私たちは普段、自分の声を客観的に聴く機会があまりありません。
そのため、
「声が小さい」
「早口になっている」
「語尾が聞こえにくい」
といったことに、自分では気づいていない場合があります。
自分の声を知ることは、自分を否定することではありません。
自分の特徴を知り、
「ここを少し変えてみよう」
「この声の出し方なら伝わりやすい」
と試していくことが大切です。
少しの変化で相手に伝わりやすくなったと感じられれば、それが自信につながります。
自分の声に向き合うことは、自分自身を知り、自分らしい表現を見つけることでもあるのです。
声優を目指していない生徒にこそ役立つ理由
声優を目指す生徒であれば、声や表現について学ぶ意味は分かりやすいでしょう。
しかし、一ツ葉高校がこのコースで目指しているのは、職業としての声優になるための技術だけではありません。
・人前で話すことが苦手
・自分の気持ちを言葉にするのが難しい
・面接や発表に不安がある
・友人との会話に自信がない
・もっと自分を表現できるようになりたい
そのような生徒に、声を出す楽しさと、相手に伝わる喜びを知ってほしいと考えています。
声優を目指していなくても、声のトレーニングで学んだことは、進学、就職、人間関係など、将来のさまざまな場面で役立ちます。
だからこそ、声優志望ではない生徒にも参加してほしいコースなのです。
一ツ葉高校のソーシャルスキル教育をさらに深めるコース
一ツ葉高校では、学力だけではなく、Social Skill(ソーシャルスキル)を大切にしています。
ソーシャルスキルとは、
・人と関わる力
・自分の気持ちを伝える力
・相手を理解する力
・協力して物事を進める力
・自分で考えて行動する力
など、社会の中で自分らしく生きていくために必要な力です。
「伝わる声と表現コース」は、その中でも特に自己表現力とコミュニケーション力を実践的に学ぶコースとして開講します。
学力だけでは身につけることが難しい「伝える力」を、声を使った活動を通して楽しく学んでいきます。
講師は声優・野島裕史さん
「伝わる声と表現コース」の講師を務めるのは、声優として長年活躍されている野島裕史さんです。

声で人物の感情を表現し、聞く人へ届けてきた野島さんから、声を使う楽しさや、相手に伝わる表現について学びます。
このコースでは、声優を目指すかどうかにかかわらず、一人ひとりが自分の声と向き合い、自分なりの表現を見つけていくことを大切にします。
8月7日、オンライン説明会を開催します
「実際にはどのような授業を行うの?」
「話すことが苦手でも参加できる?」
「声優を目指していなくても本当に大丈夫?」
そんな疑問をお持ちの生徒・保護者の皆さまへ向けて、8月7日にオンライン説明会を開催します。
説明会では、野島裕史さんご本人から、
・コースで行うこと
・声を使って表現する楽しさ
・生徒たちに学んでほしいこと
についてお話しいただく予定です。
また、野島さんに直接質問できる質疑応答の時間も設けます。
コースの雰囲気や内容を知っていただける機会です。
声優を目指しているかどうかにかかわらず、声や自己表現に興味のある方は、ぜひご参加ください。
「伝わる声と表現コース」の詳細はこちら
2026年9月14日に開講する「伝わる声と表現コース」の詳細は、特設ページでご覧いただけます。
▶ 伝わる声と表現コース 特設ページ
https://www.hitotsuba.ed.jp/course/option_course/voice/
次回予告
親子で考える「自己表現力」の育て方
~子どもの言葉を引き出すために、家庭でできること~
「自分の気持ちをもっと話してほしい」
そう思って声をかけても、なかなか話してくれないことがあります。
次回は、子どもの自己表現力を育てるために、家庭でどのような関わり方ができるのかを考えます。
通信制高校