小倉キャンパス ブログ

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  1. 原子力発電の再稼動問題

    通信制 一ツ葉高校 小倉キャンパスの早尻です。

    こんにちは。今日は、今、話題になっている「原子力発電の再稼動問題」についてお話したいと思います。その前に、皆さんにお伝えしたいのは、このような政治的テーマについては、多くの場合、賛成派と反対派の意見が鋭く対立しているということです。関心の度合いや知識レベルには厳然と個人差がありますが、大切なことは、可能な限り双方の意見を深く理解し、そのうえで自分の意見を持つことです。又、政治のテーマには、自分にとってどちらが有利かという視点と、自分のことは脇において、大所高所(偏見や私情を捨てた広い視野)からどうあるべきかという二つの視点があります。一般的に大人は、何らかの企業や集団に所属し、そこから生活の糧を得ているので、集団の意向を抜きにしては考えにくいという側面があります。しかし、学生の皆さんは、どの利益団体にも属さず、自由に考えることが許される状態にあります。このことを踏まえたうえで、このテーマを考えてもらいたいと思います。

    それでは本題に入ります。「原子力発電の再稼動」について、私は反対します。原子力発電は、エネルギーとして優れているということではなく、ビジネスモデルとして非常に魅力的であるということだと思います。原子力発電所の建設や稼動によって、多くの企業が潤い、その結果、多くの雇用を生み出し、地域経済、日本経済に多くの恩恵をもたらしてきたということだと思います。だからこそ、国が積極的に推進する政策になり得たのでしょう。しかし、これは「禁じ手」(将棋や相撲などの反則技)だと思います。現代の人類は、原子力を完全にコントロール出来るだけの科学技術をまだ持ち合わせていないのではないでしょうか。カリキュレーテッド・リスク(計算されたリスク)には対応可能かもしれませんが、原発はその限界を超えていると思います。一たび、事故が起これば全ての採算を吹き飛ばし、その解決のためには莫大なコストが発生します。それでも解決しない可能性があります。又、そうなった場合、電力会社の社長さんも政治家の方々も、誰も個人では責任がとれません。川内原発の新安全基準については、専門の先生方が英知を結集してボーダーラインを見定めたと思いますが、それでも想定外の事態は起こりえます。純粋な科学技術の問題とは別に、テロの危険性など人間の心の問題も存在します。今、福島原発の事後処理でこれだけ苦労している中で、再稼動することには無理があります。どれだけ機会利益(稼動すれば得られるであろう利益)の喪失が大きくても、中止するべきだと考えます。資本主義は、私たちの生活レベルを飛躍的に向上させ、多大な恩恵をもたらしてくれましたが、資本主義の限界、弊害(経済効率が最優先されてしまうこと)についても考える時期に来ていると思います。

    通信制 一ツ葉高校 小倉キャンパス  早尻

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