地球温暖化について考えてみよう
通信制高校 一ツ葉高校福岡キャンパス 井上です。
皆さん、こんにちは。
今回も地球環境を、エネルギーのことを切り口にして考えてみましょう。
日本のエネルギーの主役は、石油に代わるまでは石炭でした。NHK朝ドラ「あさが来た」の中でも、主人公の女性が明治時代に筑豊の炭鉱を経営していますね。
福岡で炭鉱といえば、筑豊だけではありません。
福岡キャンパスのある福岡市と近郊にも、姪浜炭鉱、志免炭鉱などの炭鉱がありました。大きい観覧車があった福岡市西部のマリノアシティや小戸公園は、実は、姪浜炭鉱の石炭採掘後のボタ(廃土)を海岸に捨てて、埋立てられた土地だったのです。
石炭といえば、今から3億年以上前(石炭紀)、地球上に繁茂した大型シダ類の密林が、熱や圧力を受けて石炭に変わったと言われています。なぜ、堆積した植物が腐らないで石炭になったかというと、その頃、腐敗させる微生物が地球上になかったからだそうです。
それでは、「石炭紀の炭酸ガス(二酸化炭素:CO2)濃度はどのくらいだったのか?」
3億年前の大気中の炭酸ガスは、現在の濃度、0.04%の約8〜9倍の濃度であったようです。大気の温度は現代とほぼ同じです。高濃度の炭酸ガスは植物の光合成によって、植物のエサとなり、植物の細胞として大量に固定されます。植物は巨大化し、密林ができます。それらの植物が地球上に石炭という化石燃料として残ったわけです。
石炭紀の終わりころには、炭酸ガス濃度は現代の約1/3の0.1%にまで減少してしまいます。同時に石炭の元になった植物もほとんど消滅してしまいます。
つまり、炭酸ガス濃度が上昇すれば、植物が増え、動物も増える。逆に炭酸ガス濃度が低くなれば、地球上の動植物は減少し、死滅してしまうという過程を、地球はたどっているということがわかります。
このことをもとに、「現在の空気中の炭酸ガス濃度では、地球上の動植物は増えるのか、減るのでしょうか?」を考えると、答えは「減る!」です。
「炭酸ガスの温室効果で地球温暖化が進み、このままでは、森林が減り、砂漠が増え、動植物も減って、人類は絶滅の危機を迎える。」という論理は、どうもまちがっているようです。
それなのに、世界では「地球環境を悪化させる炭酸ガスを減らしましょう!」という流れが正しいようになってしまっています。
メディアで、炭酸ガスによる地球温暖化に警鐘を鳴らしたのは、科学者ではありません。世界中のテレビに出演して、熱弁をふるった、元アメリカ副大統領ゴアさんです。
昔から、このような流れには、人間の欲望みたいなことが大きく関係しています。特に、地球温暖化に関連して、多額のマネーを得たいという人々の思惑と欲望は、ひょっとすると、温暖化のエネルギーより大きいかもしれません。
そのようなビッグマネーを背景に、世界が動き、地球環境についての科学的なものの見方、考え方まで、都合の良いようにねじ曲げられることもあるという例です。
身の回りの事象に疑問を持つことが、科学の始まりです。「???」と思ったら、あなたは科学の扉の前にいるのです。
生徒のみなさんの苦言、反論、賛成、いろいろお待ちしております。いつものジジイでした。
通信制高校 一ツ葉高校福岡キャンパス 井上