千葉キャンパス ブログ

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  1. 柿と猪

    通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパスの夏目です。

    先日、愛知県の片田舎に住む両親から柿が大量に送られてきました。とても私の家族だけでは食べきれないので、そのうち10個ほどを昨日学校に持ち込み、先生方や生徒に配らせていただきました。

    両親の話によると、家の近くにある小農園には、猪が頻繁に出没するそうです。猪は大食かつ雑食で、(生姜やほうれん草などの一部の作物を除くと)ほとんど全ての野菜はイノシシに食べつくされてしまったそうです。送ってきた柿は猪害から逃れえた希少な農作物なので心して食べるように、というのが両親からのメッセージでした。

    ここ10年前には、猪の話はまったく聞きませんでしたので、日本中で騒がれている獣害がついに我が実家にまで及んだか、という驚きを覚えました。日本の農業において、獣害はなぜここまで拡大してしまったのでしょうか?

    よく言われる理由は、高齢化などの理由により猟師の数が激減していることです。20年前に比べ、ハンターの数は三分の二まで減っています。しかし駆除された動物数はこの間に10倍以上増えていますから、猟師不足が害獣の主原因とは考えにくいのです。

    おそらく、獣害が増えた最大の理由は、農業の衰退です。獣害対策のプロの方によると、野生動物は米や野菜といった「売り物になる作物」だけではなくて、野菜屑や地面に落ちて放置された果物といった「売り物にならない作物」を狙って農地に出没するそうです。ここ数十年農家は減少し、農地をこまめに手入れする習慣も減退しましたから、「人間が放置した食料」は農地周辺に確実に増加しているはずです。そして、それを狙って動物たちは農地に侵入するようになったわけです。したがって、農地やその周辺を丁寧に整備するだけで、動物の目的物は半減し出没数は確実に減少するわけですが、衰退が加速化している農家にその余裕はないでしょう。

    私の両親は「柿は猪から逃れた作物」と考えているようですが、逆に「柿は猪を招き寄せた作物」と考えたほうがよさそうです。落ちた柿をできるだけ早く回収するよう、両親には助言するつもりです。


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