千葉キャンパス ブログ

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  1. ノーベル賞受賞と自然(2)

    通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパスの夏目です。

    数年前ふとした縁で、ある有名な生物学教授と話しをする機会がありました。定年間際の彼は、日本の生物学の行方をさかんに憂いていました。若い研究者達にセンスが感じられないというのです。「最近の若い研究者は、都会の一流高校を経て一流大学を出てる人が多く、非常に頭が良くて、論理的で明快な論文を書く。だが、彼らの研究が大発見に繋がる可能性をほとんど感じることが出来ない」と嘆くのです。

    「どうしてそうなったのですか?」と私が尋ねると彼は即座に答えました。「やっぱりね、子供の頃に生物と接した経験が決定的に足りないんだね。彼らは都会人だから仕方ないかもしれないけれど、朝から晩まで泥まみれになりながら虫取りに熱中したような子供時代を過ごさないと、生物学者としては厳しいね」

    「子供時代の自然体験って、そこまで決定的なんですか?」と私は訊きました。「虫取りに熱中してるとね、虫の気持ちが段々分って来るんだよ。俺が虫だったらどの道を通るか、なんて一日中考えてると、虫と自分が同化していくんだな。この経験が研究に生きる。普通の人なら考え出せない研究テーマや研究手法は、こういう経験をつんだ人じゃないと出てこないんだよ。学生の論文を読んでいると、時々面白いものも見つかる。文章も下手だし、論理的でもないんだけれど、どこかユニークな視点がある。そういう学生を呼んで話をすると、彼らは全員田舎の虫取りキッズだったんだよ」

    大村氏は「微生物に感謝したい」と述べて話題になりましたが、あれはジョークでも謙遜でもなく、案外本音ではないかと、私には思えます。少なくとも大村氏が「微生物と心を通わせる人物」であることは間違いないでしょう。

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