千葉キャンパス ブログ

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  1. 伝えすぎない技術(その2)

    通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパスの矢島です。

    ひるがえって、現在の日本は多くの情報が飛び交い、吸収され、捨てられていきます。
    もはや知りたい情報はタイムリーで届き、それを全て知ろうと試みるのも私たち次第です。
    今や、ソーシャルネットワークも普及し、リアルタイムで知りたい情報が更新されています。

    その中で、特に日本で絶大な支持を受けているのは「twitter」です。
    「twitter」は、140文字以内で自分の伝えたいことをつぶやくというものです。
    ある人は、140文字が短すぎると感じたり、ブログやホームページで
    長い文章を書いたほうがいいと思ったりするでしょう。
    しかし、実は「twitter」を利用している日本人はとても多く、その使用量(つぶやきの数)は、
    アメリカについて世界第2位となっています。
    もしかしたら、「140文字」という絶妙な短さが、日本人の文化的土壌に染み付いた
    「制約の中の表現」とよく似ているから、支持されているのかもしれませんね。

    室町時代の猿楽師、世阿弥の芸論書『風姿花伝』には、
    「秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず」という言葉があります。
    すべてを伝えるのではなく、あえて一部分を隠すことによって、
    人を芸術に惹きつけることができるのだと世阿弥は考えました。
    確かにダ・ヴィンチの「モナリザ」は、絵の発祥や描かれた意味など
    様々な謎に包まれており、未だに多くの人々を惹きつけています。

    ―伝えすぎない技術。あえて隠す技術。―

    それは、私たちのコミュニケーションにも同じことがいえるのかもしれません。
    例えば教育においても、教師がすべてを生徒に「教え込む」のではなく、
    あえて問題の「キモ」を隠しておくことで、生徒に学びの意欲を引きつけ、
    主体的に考えさせることができるかもしれません。

    「温故知新」とは儒教の祖、孔子の言葉ですが、まさに彼の言葉通り、
    日本の古くからの文化を通し、私たちのコミュニケーションを
    見つめ直す機会が必要だと思います。

    通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパス 矢島

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