あめゆじゆとてちてけんじゃ

2014年12月11日

通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパスの石野です。

最近はずっと朝は冷え込んでいましたが、
今朝は生暖かい空気が体にまとわりつきました。
お昼休みにちょうど雨風が強まったので、
午前中の授業を終えて下校する生徒は、
キャンパスを出るタイミングを逸して困っていたようです。

さて、本日は現代文で詩を取り上げました。
愛する妹の死に臨む宮沢賢治の心理が表現された「永訣の朝」です。
少し長い詩ではありますが、生徒に朗読してもらいました。

古い仮名遣いで書かれていて、さらに花巻方言が交えられているので、
どこで意味が切れるのか、四苦八苦していましたね。

でも、目で文字を追うだけでなく、実際に声に出してみると、
どこが理解できていて、どこが理解できていないのかがはっきりします。
レポートもずいぶん解きやすくなったのではないでしょうか。

ちなみに表題の

「あめゆじゆとてちてけんじゃ」

とは「あめゆき（＝みぞれ）を取ってきてください」という意味。
宮沢賢治の妹が、高熱にうなされるなかで兄にお願いした言葉です。
まもなく命のともし火が消えようとしている妹を、ただ見守るだけしかできない賢治。
妹は最後にひとつお願いすることで、兄の苦しみを和らげようとします。
暖かい思いやりが表れていますね。
宮沢賢治はその言葉を頭の中で何度も何度も反芻しながら、
お椀を持ってみぞれを取りに行ったのでしょう。

おおまかな意味が取れたら、もう一度味わいながら朗読してもらいたいと思います。

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