お子様の不登校の経緯について
質問
まず最初に、入学前のお子様の状況を質問します。
お子様が学校に通えなくなったのはいつ頃、どのような経緯からでしたか?
通学や学習面でどのようなことでお悩みでしたか?学校へ行けなかった期間、どのように過ごされていましたか?
不登校になったきっかけは、コロナの流行でした。
小学校5年生になる直前の2月にコロナが流行り出して登校出来ない期間があり、
その間ゲームばかりして過ごしていたので、昼夜逆転してしまい、
寝不足で朝起きられない、怠い、熱っぽい、喉が痛い、お腹が痛いなど体調面でも優れず休みがちになりました。
その頃、中学受験のために塾に通い始めてもいたのですが、
小学校4年生の初めから受験勉強を始める人が多い中、5年生になる直前に塾に入ったため、
すでに出来上がっている塾のクラスの輪に入れず、コロナの流行も重なって、
何もかもスムーズに進まない状況が続きました。
気持ちも波に乗れず、「やらされている」との思いもあったようで、
最終的に本人の意思で受験を断念しました。
中学受験のことも、本人にとっては重たかったのだと思います。
「生きていたくない」と言われたことがあり、かなり心配しました。
「日本の社会に自分は合わない」と話すこともあり、
「日本を出たくはないけど、英語を勉強して海外に行きたい」と言っていた時期もありました。
学校では勉強や友達、先生との関係に困っていたわけではありません。
ただ、「学校の勉強が将来何の役に立つのか分からない」
「みんなが同じことを一斉にするのが違和感」という思いがあったようです。
息子が5歳のときに父親が亡くなり、一緒に暮らす祖母も病気で命の危険が何度かあったため、
それらの経験が息子の心に影響していた可能性もあります。
小学生のうちから「将来やりたいことが分からない」と悩んでいたこともありました。
「これが不登校の原因」とはっきり言えるものはなく、
さまざまな要因が絡み合い、成長の過程で心身のバランスを崩していたように思います。
学校に行かないことで、学習の遅れや友達との関わりがなくなることは心配でしたが、
本人の気持ちが変わるのを待つしかなく、
「人生は長い。多少遠回りしても大丈夫」と思い見守りました。
不登校の間、息子は毎日ゲームをして過ごしていました。
中学生になってからは学研の教材で英語と数学を自学し、
中学2年の途中からはオンライン家庭教師にもお願いしました。
小学校からの友達との接点もほとんどなく、
接する相手は家族、オンライン家庭教師、学研の担当者、中学の担任の先生だけでした。
それでも引きこもりではなく、暴れたり家出をしたりもせず、学校に行かない以外は普通でした。
考え方が同年代よりも大人びていたため、友達と話が合わなかったのかもしれません。
体調はオーソモレキュラー栄養療法によって徐々に改善しました。
昼夜逆転だけは続いていたため、心療内科でメラトニンというサプリを処方され、
現在は朝もきちんと起きられるようになっています。
時間の経過とともに息子の気持ちも整理され、
何かをきっかけに吹っ切れたようです。
学校に行かなくても、社会と直接関わらなくても、
息子の心身は確かに日々成長していたと感じます。
中学3年の夏休み、担任の先生との三者面談に
「自分も行ってみようかな?」と息子が言い出し、
初めて三者面談が実現しました。
話題は進路となり、先生に「進路、どうする?」と聞かれ、
息子が「高校はどこかしらには行きたいと思ってます」と答えました。
そこから一気に高校進学への動きが始まりました。
今となっては、息子自身も「なぜ学校に行きたくなかったのか覚えていない」と言っていて、
心身ともにエネルギーがチャージされ、バランスが取れてきたように感じます。
小学校6年の時の担任の先生、中学の3年間担任してくれた先生、
学研の学習担当の方、オンライン家庭教師の先生方…
皆さんが親身に支えてくださり、ここまで来ることができました。
息子も私も、精神的にも学習面でも支えていただき、感謝しかありません。