「雪の結晶」に隠された数学の不思議 ― 一歩ずつの積み重ねが、大きな力になる。
みなさんこんにちは。名古屋キャンパスで非常勤講師をしている梅原です。 寒い日が続いていますが、体調を崩したりしていませんか?
寒くなってくると空から降ってくる雪。実は、雪の結晶は「数学の芸術」と呼ばれていることを知っていますか?何気なく見ている雪の形には、学校で習う図形の知識よりも少し不思議な法則が隠れています。

「コッホ曲線」という不思議な形
雪の結晶のモデルとして有名な数学的図形に、「コッホ曲線」というものがあります。
【コッホ曲線の作り方】
1本の線分を3等分する。
真ん中の部分を取り除き、そこに正三角形の2辺を付け加える。
この操作を無限に繰り返す。

ここが不思議ポイント! この操作を繰り返すと、図形が囲む面積は一定なのに、周りの長さはどんどん増えていき、最終的には「無限」になります。 「えっ、どういうこと?」と気になった方は、ぜひ計算式を調べてみてくださいね(等比数列の知識で解くことができますよ!)。
部分の中に全体がある「フラクタル」
コッホ曲線のように、「どの部分を拡大しても、全体と同じ形が現れる」性質をフラクタルと呼びます。 冬の厳しい寒さの中で作られる雪の結晶も、この複雑なルールに従って、あの美しい六角形の造形を作り上げているのです。

実はこのフラクタル、雪の結晶以外にも身近なところに隠れています。代表的なのが、冬に旬を迎える『ロマネスコ』という野菜です。
スーパーで見かけたら、ぜひ一房手に取ってみてください。大きな円錐の中に小さな円錐があり、その中をさらに拡大するとまた同じ形の円錐が……という不思議な構造になっています。
自然界は、こうした『同じルールの繰り返し』を使って、効率よく、そして美しく形を作っているのです。そう考えると、なんだかスーパーの野菜売り場も数学の美術館に見えてきませんか?

勉強も「結晶」と同じ
一つの正三角形に、小さな三角形を何度も何度も付け加えることで、あんなに美しく壮大な結晶ができあがります。
実は、皆さんの勉強もこれと同じなんです。
今日覚えた1つの公式
今日解いた1つの計算問題
それらは、一見すると小さな「一歩」に過ぎないかもしれません。 でも、雪の結晶が少しずつ形を変えて複雑で美しい姿になるように、皆さんの努力も積み重なることで、試験当日には想像もつかないような大きな力(結晶)に変わります。
寒さに負けそうな日もありますが、自分のペースで「一歩」を積み重ねていきましょう。その積み重ねこそが、合格や目標達成への最短ルートです。
冬本番、体調に気をつけて一緒に勉強頑張ろう!よいお年を!
通信制高校