四面楚歌
通信制 一ツ葉高校 立川キャンパスの高橋です。
後期から漢文の授業がメインになった「古典」の授業。
今日は4回のレポート範囲、史記「四面楚歌」と寓話「長沮・ 桀溺」に入りました。
「四面楚歌」という言葉、いまでも使われることがありますが、この史記から出来た故事です。
じゃあ「四面楚歌」ってどんな話かって!?
中国の大昔の話。
楚と漢というふたつの国が天下を争って漢の劉邦の大軍が楚の項羽を包囲し、
力攻めにせめても良かったけど、楚の項羽はとてもとてーも、強かった!
そこで楚から降伏したり、逃亡してきた兵士に楚の故郷の歌を習わせて
毎晩、毎晩、楚の歌を歌うことで、楚軍の多くが漢に寝返ったようにみせ、
楚の兵士の戦意を喪失させ、故郷への望郷の念を駆り立てようという作戦をたてました。
すさまじい策略!
夜になるとどこからともなく、項羽の故郷楚の国の歌声が聞こえてきて、
ついにはそれが、東西南北あらゆる方向に広がっていく。
これを聞いて項羽は、「漢は已に楚を全部降してしまったのだろうか。
敵軍の中に何と楚の国の人が多いことか」と嘆きます。
これは漢が、敵の戦意を挫くために、考え出した歌声作戦で、
項羽と楚の兵はまんまとひっかかったのです。
広辞苑やことわざ辞典によると、「周囲がみな敵で、孤立無縁なようす」です。
数多い故事成語や四字熟語の中で、これほど一般に知られている言葉はなかなかありません。
使えたら、最高!使えなくても言葉は覚えておいてね。
通信制 一ツ葉高校 立川キャンパス 高橋