いてふ
通信制 一ツ葉高校 立川キャンパスの佐瀬です。
今日は朝から立川の空がどんよりしています。
窓を開けても薄暗い雰囲気です。
前期のレポートをチラリと振り返ってみました。
国語総合の詩の授業で、「いてふ」を「いちょう」と読みましたね。
なぜそう読むのか知っていましたか?
斉藤茂吉の『暁紅』を見ると、
わが庭の一木の公孫樹(イテフ)残りなく落葉しせれば心やすけし
と書かれています。
明治初年に制定された歴史的仮名遣いでは「いてふ」でした。
斎藤茂吉は、ひとつの歌集『暁紅』(1935年)の途中で、
「いてふ」から「いちやう」に仮名遣いを変えています。
これは、1932(昭和7)年に出版された、大言海(第一版)の説に茂吉が従ったことによるらしいです。
「イチヤウをイテフと書くのは、公孫樹の語源をイチエフ(一葉)と
誤解したために生じた、まちがった仮名遣い。
中国からこの木が渡来したときには、鎌倉時代であり、中国語は唐宋音の時代だったから、
宋音の発音「イチヤウ」と書くのが正しい表記である。」
日本語の歴史もなかなかおもしろいですね。
ふだんの生活でもちょっぴり意識してみたら、興味深い発見があるかもしれませんよ。
通信制 一ツ葉高校 立川キャンパス 佐瀬