「あはにな降りそ」
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパスの宮本です。
どうやら、明日はたくさん雪が降りそうですね。
昨年1月の成人の日のように雪に染まった風景の上からしんしんと
雪が降るのを見るとき、私はいつもある短歌を思い浮かべてしまいます。
降る雪は あはにな降りそ
吉隠(よなばり)の 猪飼(いかい)の丘の 寒からまくに by穂積皇子
現代語にすると、「雪よ、どうかそんなに降らないでおくれ。
あの人の眠る吉隠の里の猪飼の丘が寒くて堪らなくなるだろうから」と、なるでしょうか。
これは、但馬皇女と結ばれ得ぬ恋に落ちた穂積皇子が、
皇女の死後に迎えたある冬の朝に詠んだ歌です。
(結ばれ得ぬ恋の話は、各自で調べてみてくださいね♪)
歌の中に皇女を表す語句が一つも入っていません。
それでも、皇子の悲しみは伝わってきます。
独り降りしきる雪越しに猪飼の丘を見つめ、じっと悲しみに耐えているのかもしれません。
死してなお愛していたことを公言できない立場、状況がひしひしと伝わってきませんか?
明日明後日は、大雪の関係で行動の自由が利かないかもしれません。
そんな時は、ラインやゲームもいいですが、万葉集といわず古典や国語の教科書を
パラリパラリとしてみてはいかがでしょう?
新たな知の扉が開くかもしれません。
風邪などひかないように気をつけて、元気で過ごしてくださいね。
また月曜日にお会いできるのを楽しみにしています。
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパス 宮本