立川キャンパス ブログ

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  1. 敬語トリビア

    通信制 一ツ葉高校 立川キャンパスです

    こんにちは、立川キャンパスの宇野です。

    今日の古文の授業は「敬語」。
    古文は文系科目の中でも、苦手に思われる率ナンバーワン。
    その中でも敬語は最も嫌われております・・・
    つまり、古文の敬語は高校生に選ばれし
    「苦手な学習」のトップに君臨しているのです(宇野調べ)。

    なぜここまで「敬語」は苦手とされるのか。
    それは、古文うんぬん以前に、
    そもそも現代語において「敬語」を理解できていないから。
    いやいや御冗談を!
    敬語くらい理解しておりますよーという方に質問です。
    ・敬語って何ですか?
    ・尊敬・謙譲・丁寧の違いは何ですか?
    ・「お聞きする」は尊敬ですか?謙譲ですか?
    ・「差し上げる」は?
    ・「くださる」は?
    おそらく全問正解は至難の業でしょう(宇野調べ)。

    私は何も高校生の学力を嘆いているわけではありません。
    むしろ敬語が本質的に理解できていないのは当たり前のはなし。
    なぜって?
    それは人間の言語獲得に深く関係する話。
    人間は言葉を使ってコミュニケーションをとります。
    つまり言葉を学習することは、生まれた瞬間から課せられた緊急の課題なのです。
    幼い子どもは保護者や周囲が使う言語を、生きていくために必死に体得します。
    このため、多くの皆さまは学校で教えられなくても、参考書で演習しなくても、
    いつの間にか日本語を使うようになっていきます。
    しかし、残念なことにこの言語の体得期間はごく幼少期に終わります。
    なので、第二言語(英語など)は、生活していてもなかなか身に付かないのです。
    先生から教えてもらいながら、演習を繰り返して、やっと身についていくのです。

    で、敬語の話。
    敬語は確かに日本語です。
    しかし、言語の体得期間、つまり幼少期に触れることがない言葉です。
    幼児に敬語を駆使した言葉をささやく大人はほぼ存在しないでしょう。
    幼児の世界に敬語は存在しないのです。
    このため敬語というのは母語でありながら自然と使えるようにはならないのです。
    英語と同じように、教えてもらって勉強して、やっと身につくのです。
    だから高校生にとって敬語というのは難しい!
    日本語なのに意味が分からない。勉強しなければならない。
    嘆くことなかれ!
    「仕方がないことだ」と腹をくくって学ぶしかないのです。

    今までは使う機会は限りなく少なく済んでいたけれども、
    これから社会に出ていくと、敬語は必須スキルになります
    古文とか受験とか置いておいて、
    敬語をしっかりと学び、身に付けてから卒業してほしい。
    そう願ってやまない国語教師なのでした。

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