千葉キャンパス ブログ

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  1. Fair Trade

    通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパス 夏目です。

    コミュニケーション英語IIでガーナのカカオ農業についての英文を学んでいますが、
    その時の生徒との会話です。

    男子生徒「カカオ農家が貧しくて、子供が農園で肉体労働をして学校に行けない、
    という話は悲しすぎますね」

    私「そうだね、悲しむべき状況だよね。でも、少し前の日本も同じ状況だったんだよ。
    たとえば、私の祖母は実家が貧しくて、家族を助けるために小さいころから
    奉公に出て学校にはまったく行っていない。ガーナの子供たちと同じだよ」

    男子生徒「《おしん》で見ました、そういう話。で、教科書の中ではfair tradeで
    問題を解決することになっていますよね。fair tradeって公正取引と訳されていましたけれど、
    具体的にはどんなことをするのですか?」

    私「fair tradeの話をする前に、流通の話をしなくちゃいけないな。
    ガーナの農民がカカオを栽培してから日本人がカカオチョコレートを食べるまでに、
    結構複雑なプロセスがあるんだ。まずカカオ農家は、カカオを誰に売るんだろう?」

    男子生徒「日本のお菓子会社ですか?」

    私「そんなに簡単じゃないよ。おそらくガーナのカカオ農家Aは、
    ガーナにある地元の会社Bにカカオを売る。地元の会社Bはカカオを発酵・乾燥させて、
    日本の商社Cに売る。商社Cは船でカカオを日本に運び日本のお菓子会社Dに売る。
    お菓子会社Dはカカオを使ってチョコを作り、日本の流通会社Eに売る。
    流通会社Eは小売会社Fに売る。そして消費者Gは小売会社Fの経営する店舗でチョコを買う。
    少なくともこの程度のプロセスはあるはずだ。」

    男子生徒「恐ろしく複雑ですね。このプロセスとfair tradeにはどんな関係があるのですか?」

    私「AからGまでを比べてごらん。規模が小さいのはどこだろう?」

    男子生徒「一番小さいのは、消費者Gですよね。なんといっても個人だから。
    あとは農家Aかな。残りはみんな大きな組織ですよね。」

    私「そう。でも消費者はある意味では強い。
    チョコレートが嫌ならポテトチップスを買えばいいからね。
    でもカカオ農家はカカオが嫌だからポテト農家にかえるという具合にはいかない。
    結局、一番立場が弱いのがカカオ農家で、カカオをつくるという一番大事な仕事を
    していながら利益の取り分が非常に小さくなってしまう。
    この不公平をなくし公平(fair)な取り分を農家に与えるべきだ、
    というのがfair tradeの基本的な考え方なんだよ。」

    男子学生「なるほど。でも考えてみると、
    カカオだけじゃなくて他の商品でも不公平な扱いを受けている人たちが沢山いそうですね。」

    私「そうだね。だからfair tradeという考え方はどんどん広まっているんだよ。」

    通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパス 夏目

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